永住ビザや帰化の申請方法や手続きについて

外国人が日本で永住権を取得するためには 在留資格

日本で永住ビザを取得することを考えている外国人の方へ、日本での永住ビザ取得に必要な条件や手続きについて解説します。

永住ビザ取得のメリット

永住ビザとは、国籍を変えないままで日本に滞在し続けることができるビザ(査証)で、永住ビザを取得することには、多くのメリットがあります。

在留期間の制限がなくなる:
永住ビザを取得することで、在留期間に制限がなくなります。これにより、安心して長期的な計画を立てることができます。

転職の自由度が増す:
永住ビザは特定の職種や企業に縛られず、幅広い職種で働くことができます。これにより、キャリアの選択肢が広がります。

住宅ローンの取得が容易に:
永住ビザを持っていると、金融機関からの信用が高まり、住宅ローンや自動車ローンなどの融資をうけることが容易になります。

社会保障制度の利用:
永住ビザ保持者は、日本の社会保障制度を利用することができます。これにより、病気や老後の生活に対する安心感が増します。

親族の来日・滞在が容易に:
永住ビザを持っていると、親族が日本に来る際の手続きがスムーズになります。また、家族の滞在資格やビザ取得も容易になります。

永住ビザ取得は、日本で安定した生活を築くためにはメリットが多いです。手続きには労力が必要ですが、その価値は十分にあります。

永住ビザ許可申請の条件

日本で永住ビザを取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

在留期間:
原則として、日本に10年以上継続して在留していること、10年間の中で5年以上は就労資格または居住資格によって在留していることが条件となります。

素行が善良であること:
日本の法律を遵守し、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいることと定められています。

過去の在留期間中、日本の法律や規則を遵守し、犯罪歴がないことが求められます。何度も繰り返していると素行が善良ではないと判断される可能性があります。

独立した生活基盤:
申請者は独立して生活できる経済基盤を持っていることが必要です。収入証明書や在職証明書、納税証明書などを提出して、収入が安定していることを証明する必要があります。

社会保険料:
国民健康保険や年金保険料、所得税などの納付義務を遵守していることが求められます。社会保険料の納付状況を証明する書類が必要です。

在留資格:
現在の在留資格で認められている在留期間が最長になっていることがあげられます。

多くの在留資格では、最長の在留期間が5年に設定されているため、5年の在留期間を有していれば、最長の在留資格だとみなされる可能性が高いです。

公衆衛生上:
感染症に感染していないかなど、公衆衛生上、問題となる恐れがないことも条件の1つです。
また、感染症や中毒だけでなく、家がゴミ屋敷になっている場合なども、公衆衛生上の観点から不適切あると判断されます。

配偶者が日本人:
配偶者が日本人の場合、永住権はかなり取得できやすくなります。日本人または永住者および特別永住者と結婚し、実質的な婚姻生活が3年以上継続している場合、日本に1年以上在留していれば、特例によって永住権が認められます。

永住許可申請の標準処理期間は「約4ヶ月間」となっています。事前に十分な準備を行い、余裕を持って申請を進めることが望ましいかと思います。

永住ビザの申請の流れ

日本で永住権を取得するためには、いくつかの重要な書類が必要です。申請の流れとともに解説します

面談
永住ビザの申請は、外国から外国人を呼び寄せる場合は、日本にいる外国人関係者とお会いして手続きを進めることになります。

必要書類

①在留資格認定証明書交付申請書:
本人が記入し、署名・押印する書類です。申請者の基本情報や職業、収入などの情報を記入します。

②パスポート

③在留カード

④身分関係を証明する書類(戸籍謄本や婚姻証明書)

⑤住民票(申請人の家族も含む場合有)

⑥在職証明書

⑦直近1年間の納税証明書

⑧所得を証明書するもの(預金通帳のコピー等)

これらの書類を用意し、最寄りの出入国在留管理局で申請手続きを行いましょう。書類が不備があると審査に時間がかかるため、事前によく確認しておくことが重要です。

永住権取得後に許可が取り消される可能性があるケース

永住権を取得した後でも、一定の条件下では永住許可が取り消される可能性があります。

在留資格取得時の虚偽申告:
永住権取得時に虚偽の申告や偽造書類を使用した場合、発覚した時点で永住許可が取り消される可能性があります。

再入国許可を得ず、1年を超えて日本を出国:
永住権保持者が、一定期間(通常は1年)を超えて日本国外に滞在し続けた場合、永住許可が取り消されることがあります。ただし、事前に再入国許可を取得していれば、この制限を回避できます。

住所変更が未登録または、虚偽の届出:
住居の変更があった場合、原則14日以内に住居地の最寄の役所へ届出をしなければなりません。これを放置していると永住権の許可取消になる可能性があります。

言うまでもなく、虚偽の届出をした場合も同様です。

在留カードの有効期間更新手続きをしなかった場合:
永住権も在留カードの更新手続きはしなければなりません。在留カードは7年に1度、もしくは16歳の誕生日までに更新する必要があります。怠った場合罰金刑の可能性大です。

犯罪行為の発覚:
永住権取得後に重大な犯罪行為が発覚した場合、永住許可が取消されます。例えば、詐欺や暴力犯罪、麻薬関連犯罪など、懲役や禁固刑に処せられた場合が該当します。

在留カードの更新手続きについて

在留カードの更新手続きとして更新が必要な場合、手続きの流れや必要書類などについて解説します。

在留カードは、日本で在留資格を持つ外国人が所持するべき重要な身分証明書です。

更新が必要な場合は、

・在留資格の変更
・在留期間の更新(延長)
・住所変更(転居)
・在留カードの破損、紛失、盗難

の場合が該当します。

在留カードの更新手続きは、地域の入国管理局で行います。

・手続きに必要な書類を揃える
・入国管理局や出入国在留管理センターで手続きを行う
・手数料を支払う
・新しい在留カードを受け取る

在留カードの更新手続きに必要な書類は、手続き内容によって異なりますが、一般的に以下の書類が必要です。

・旧在留カード
・写真(4cm×3cm)
・更新申請書
・資格外活動許可申請書(必要な場合)
・住民票(住所変更時)
・在留資格変更や期間更新の場合は、在留資格認定証明書や在留期間更新許可証明書など

永住ビザの所有者も例外なく在留カードを携帯しなければならず、提示を要求された場合は従わなければなりません(16歳未満の人を除く)。これに違反した場合は1年以下の懲役または20万円以下の罰金などの罰則があります。

在留カードの更新は、日本での在留資格を維持し、適法に滞在するために重要な手続きです。

更新が必要となる場合や期間が近づいている場合は、速やかに手続きを行い、必要な書類を揃えておきましょう。また、住所変更や在留資格の変更があった場合も、適切な手続きを行うことが求められます。

手続きには時間がかかることがあるため、余裕をもって準備し、手続きを進めることが望ましいです。在留カードの更新手続きを適切に行うことで、日本での在留資格を維持し、安心して生活を送ることができます。

最後に、在留カードの更新を怠った場合のリスクを理解し、法律や規則を遵守して日本での滞在を円滑に進めるために、適切な手続きを行ってください。

在留カードの更新手続きを適切に行うことで、長期的に日本での生活や仕事に集中することができます。

帰化申請の条件や手続きの流れ

国籍を変更する手続きを「帰化申請」といいます。日本人なるということを意味します。

日本の国籍を持ち、ビザの更新の手続きを要せず日本に住み続けることができます。

日本のパスポートを持ったり、選挙権・被選挙権が付与されます。外国籍を放棄し、日本国籍を取得することができます。

帰化申請は、外国人が日本の国籍を取得するために行う手続きです。申請者が一定の条件を満たし、法務省から承認を受けることで、日本国籍を取得することができます。

帰化申請は、外国人が日本社会に適応し、日本での生活を継続する意思がある場合に行われます。

帰化申請するための条件

帰化申請には、以下の条件が設けられています。

●継続的に日本で5年以上の居住歴があること:
継続的に…ということは、途中で在留資格が切れた場合や、合理的理由のない長期出国していた場合は帰化申請できないということになります。

また,就労系の在留資格を持っている方は、3年以上就労していることが必要です。

●成人していること:
帰化申請する人間に行為能力があること、となっていますが、簡単に言うと成人していることが必要です。

これは日本においてだけでなく、本国の法律でも成人していないことになるので注意が必要です。

●営利活動や職業によって安定した生活ができること:
一緒に住んでいる家族・同居人にもあてはまります。つまり、生計を一つにするご家族に安定した収入や資産がある場合,この条件に関しては満たしているということになります。

●品行が良好であること:
犯罪行為や交通違反がないかや、税金を滞納していないか、年金の未払い、ルールにのっとった届出義務等、社会のルールをきちんと守っているかということです。

●日本国籍取得に際して、現行の国籍を喪失することができること:
日本は二重国籍が禁止されているため、帰化すると同時に本国の国籍は失うということになります。

●憲法及び法律を尊重し、日本国籍取得後も遵守する意思があること:
日本の法の中で最上位は憲法であり、その他の法律は憲法の内容によって施行されているため、全て遵守し法規範を守りますという誓約を結ぶことになります。

帰化申請の審査の例外パターン

帰化申請の条件は、一般的なケースを想定して設定されていますが、特別な状況下では例外的な取り扱いがなされることがあります。

a) 配偶者が日本国籍を持っている場合:配偶者が日本人である場合、居住期間が3年以上であれば帰化申請が可能です。

b) 日本人の子供がいる場合:日本人の子供がいる場合、法務省は帰化申請を柔軟に審査することがあります。

c) 特別な職業や技能を持つ場合:特別な職業や技能を持ち、日本社会に貢献できると認められる場合、法務省は審査を柔軟に行うことがあります。

d) 日本人との血縁関係:日本人との血縁関係がある場合、帰化申請に際して居住期間の要件が緩和されることがあります。

帰化申請の手続き

帰化申請の手続きは以下の手順で行われます。

必要書類の準備:
●帰化申請書、身分証明書、写真、住民票、在留カード、収入証明書、印鑑証明書などが必要です。

●申請の提出:準備した書類を地域の法務局に提出します。

● 審査:法務省が申請者の情報を審査し、帰化が許可されるかどうかを判断します。審査期間はケースによって異なりますが、帰化申請が受理されてから3か月後に面談があり、そこから半年から長ければ1年後に許可がおります。

● 許可通知:帰化が許可された場合、申請者に通知が届きます。

帰化申請の注意点

帰化申請にはいくつかの注意点があります。

・書類の正確性:
申請書類には正確な情報を記載し、虚偽の情報を提出しないように注意してください。虚偽の情報が発覚した場合、帰化許可が取り消される可能性があります。

・帰化申請後の国籍放棄:帰化許可が下りた後、速やかに現行の国籍を放棄し、日本国籍を取得することが求められます。

・現行国籍との関係:帰化申請を行う際は、現行国籍との関係や手続きについて十分に調査し、問題がないか確認してください。

帰化申請は、外国籍を放棄し日本国籍を取得する重要な手続きです。このプロセスは長期的であり、多くの書類が必要ですが、日本国籍を取得することで、さらに安定した生活や日本社会への貢献が期待されます。

帰化申請の条件や例外パターン、手続き、注意点を理解し、適切な準備を行いましょう。

また、帰化申請の審査期間中は、日本社会での適応能力や品行を維持することが重要です。適切な手続きと準備を行うことで、帰化申請の成功率を高めることができます。

最後に、帰化申請が成功した場合でも、元の国籍との関係や手続きに関して十分に認識しておくことが重要です。

帰化申請を通じて日本国籍を取得することで、日本社会への更なる貢献や安定した生活を送ることができるでしょう。